初めて盗品売りつけられた時の話
リサイクルショップに盗品を持ち込みニュースになっている話を耳にする事があると思いますが、今回はそんな盗品を始めて買取してしまった時の話をしたいと思います。
リサイクルショップをやっているといつかは盗品を買ってしまう日が来るんだろうなーと思っていましたが、まさかそんな日が実際に来るなんてとドキドキしたのを覚えています。
ある日電話がかかって来て
お客さん「ヴィトンのバッグとかipodとかいくつかあるのですが出張買取に来てもらえますか?」
私「はい大丈夫ですよ」
私「品数があるので、直接見てお見積もりさせていただきます」
と言う事でお客さんの家に向かう事に。
ブーンとウキウキ気分でお客さんの家に向かうとオートロックのある大きなマンションでした。
30代前半のお客さんでスウェット姿のラフな感じでお出迎え。
お客さんの部屋に行くとヴィトンのバッグ2点とipod、ゲームソフトなど売りたい物が用意されていました。
査定して買取金額を伝えた所、良いですよと言う事で買取する事に。
買取伝票を書いてもらい、免許証で本人確認、代金の支払いを済ませて、無事に出張買取を終えてお店に戻る事に。
さらに1週間後・・・
また同じお客さんから連絡が来ました。
お客さん「部屋にある物で買取できる物があれば買い取ってほしい」
お客さん「今日来れますか?」
との事でしたので
私「はい大丈夫ですよ」
急でしたが儲かりそうな話でしたので急いでお客さんの家に向かう事に。
部屋の中を一通り拝見させてもらいながら
私「今回はどうされたんですか?」
お客さん「引っ越しする事になりましたので」
お客さん「引っ越したら新しい物を揃えようと思うので、古い物は買って貰おうと呼んだんですよ」
私「そうでしたか!ありがとうございます」
新築の家に引っ越しする場合とか、新品に買い替える事はよくある話ですし、気さくな感じで、前回も買取しているので特に気になる点はなく話をしていました。
一通り拝見して、液晶テレビ、ブルーレイレコーダー、アンプ、スピーカー、ゲーム機、オーブンレンジ、電話機、その他細々した物を150,000円位で買取する事に。
無事に成立したので買取の流れとして買取伝票を書いてもらい、免許証で本人確認、代金の支払いを済ませてから品物をトラックに積んで持ち帰りました。
買取した物のうち、テレビとゲーム機は頼まれていたので、持ち帰り後すぐにお客さんに販売してしまい残ったものは後日お店に出すつもりでしたので倉庫に下ろしました。
すると翌日警察から電話が来て、昨日○○の場所へ買取に行きましたか?と尋ねられました。
警察から電話が来る事なんて無かったので、ドキドキして、ものすごく緊張しながら
私「はい、昨日そちらのお宅へ買取に行きました」と。
えっ?どういう事?どうなっちゃうの?と思いながら話をしていると
警察「買取した物の持ち主が盗まれたと被害届を出したので返却して下さい」と突然言われました。
よくよく話を聞くと、買取した男性は居候で、家は交際していた女性の部屋だったのでした。
男性は交際している女性の部屋に転がり込んでいたと言う事でした。
そして、その部屋にあったものは全部、その女性の持ち物だったと言う事です。
持ち主の女性が帰宅すると部屋の物が無くなっていて、男性に連絡しても繋がらなかったことで警察に連絡をしたようです。
そして部屋に買取伝票が置いてあったので、それを見た警察が当店に連絡をしてきたという流れでした。
一週間前にもバッグなど買取をしている事を伝えた所、それには気が付いておりませんでした。
警察に、お金を払って買取したのに、ただで物を返さないとならないんですか?と尋ねると
警察「そうです」と
この時私は良く分かっていませんでしたが、古物商を営むと盗品を買取してしまった時は無償で返却しないとならないのでした。
よく善意の第三者など聞きますが、古物商には当てはまらず、盗品だった時点で全部返却しないとならないのでした。
ただテレビとゲーム機、バッグ、ipodなどは売ってしまったのですが、どうなるのですか?と警察に聞いたら
警察「売ってしまった分はそれはどうにもならないので良いです」との事でした。
売ってしまった分は取り戻すことが出来ないので、免除されると言う事でした。
倉庫から残った物を車に積んで、持ち主の女性に返却する事に。
お金は損するし、無駄な作業だらけでイライラするし、警察に調書取られ面倒な事だらけ。
被害届が出てるんだし、警察に犯人は捕ま得てくれるんだよね?と聞いてみたら
警察「正直捕まらないと思う」と・・・
もう探す気が無いのが分かりました。
警察「それと犯人はヤクザなので別件で逮捕されるような事があればご連絡します」と
マジで警察のやる気のなさには驚きました。
まーここまでハッキリ言われたら待たなくて良いので、変に期待させられるよりはよかったのかな。
後日、返却した女性が損したでしょ?と気を使ってくれて居酒屋でご飯をごちそうしてくれました。
話を聞きたかったのもあったようなので、ここは素直に甘えてごちそうになりました。
これが初めての盗品買取です。
正直全く分かりませんでした。
家がバレている状態で悪いことする人なんていないだろうと思っていたし、話もスムーズで親しみやすかったし、免許証の住所も住所変更をしたのか合っていましたので、疑う要素が全くありませんでした。
だけど家に買取に行っているからって実は全然安心はできません。
この後も何度か家に買取に行っていますが、盗品を掴まされていますので。
一般常識が全く通用しない出来事はいくらでもあります。
今回はこの辺で。
拝読ありがとうございました。